回想シーンでご飯3杯いける

ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.6
今でこそ海外フェスのライヴ配信が当たり前になって、インターネットさえあれば世界中の演奏が楽しめるようになったけど、概ね'80年代前半までは、海外のライヴと言えば、本作のように劇場公開映画として観るしか術が無かった。ストーンズのこのライヴも、収録されている一部の曲がMTV等で流れていたけど、通して観たのは今回が初めてだ。

映画として作られているだけあって、映像のクオリティは高い。この頃のストーンズと言えば、かつての尖ったイメージも薄れて、万人受けする王道のロックンロールを聞かせているのだが、大人になった今聞くと、リズム&ブルースのカバーや、その影響下にあるオリジナル曲が強く印象に残る。

「ホンキー・トンク・ウィメン」で、収録地であるニュージャージーで集めたファンやモデルだろうか、100人近くの女性がステージに上がるシーンも圧巻だ。サビのフレーズ「安くて下品な酒場の女」で女性が踊る演出は、今だとフェミニズム的観点でアウトになりそうだが、本作で踊る彼女達の表情はどこか誇らしげで、当時のストーンズがいかに絶対的であったかを伺い知ることが出来る。