Sari

TOKYO!のSariのネタバレレビュー・内容・結末

TOKYO!(2008年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

世界の巨匠たちがみた‘’世界で最もクールな都市‘’東京の真実ー
外国人監督3人による、東京を舞台に描いたオムニバス映画。

■インテリア・デザイン
監督:ミシェル・ゴンドリー

駆け出しの映画監督の恋人と上京した女性が、東京で住まいと仕事も見つけられず目的の無い憂鬱な生活を送っているうちに、体の異変が起こってしまうというファンタジー。
江戸川乱歩の『人間椅子』からインスピレーションを得たのだろうか。

■メルド
監督:レオス・カラックス

「メルド」(フランス語で糞)と名付けられた、後の『ホーリー・モーターズ』で再登場する怪人。緑色のスーツ、片目が潰れた赤毛、爪が長い出立ちは河童のような、ドゥニ・ラヴァンが演じるキャラクター。下水道からマンホールを通じて地上に現れるこの謎の怪人が巻き起こす不条理劇。ゴジラのテーマソングをバックに銀座の歩道を闊歩し街行く人を恐怖に陥れるというシークエンス、裁判所に至る硬質なセットと色彩はカラックスの芸術性が感じられるが、物語と演出は今ひとつ面白みに欠ける印象。

■シェイキング東京
監督:ポン・ジュノ

芸術的なまでに整理整頓された家の中で、11年引きこもり生活をしている中年男。ある日、ピザ配達人の美少女にひと目ぼれしてしまう彼だが、そのとき大地震が発生するというファンタジー・ラブストーリー。
三作の中で最も良い。日本社会の現状をリアルに描きながらも、ポン・ジュノの圧倒的な演出力とカメラワークが光る秀作。

2022/04/07 DVD
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