このレビューはネタバレを含みます
作家性の強い監督3人が東京を舞台に撮ったオムニバス作品。どの監督も好きだから東京で映画を撮ってくれたことが嬉しい。三者三様でとても楽しい、どの東京もみんな違う様々な表情を魅せてくれる。
『INTERIOR DESIGNER』
ミシェル・ゴンドリー監督
地元が同郷の男女カップルが東京に住む同郷の友達を頼りに上京。男は映画監督を目指し、女はそれを支える。雨の降る夜の東京を車の窓ガラス越しに映される冒頭。とても美しくて引き込まれる。序盤は会話劇が展開され、友達の家の部屋の小物一つ一つのこだわりが見えて作り込みがすごい。徐々にみんなに置いていかれ、新しい地、東京で居場所を見出せない女の気持ちがじんわり伝わってきたかと思うと、突如彼女が椅子になり、役目を見つけるというゴンドリー監督らしいファンタジー要素の強さが良い。そのまま物語が閉じていくのも良い。東京という誰もを受け入れ誰をも受け入れない地という感覚がとても伝わってきた。芯があるだかないんだかのふにゃふにゃした加瀬亮好き、付き合いたい。
『Merde』
レオス・カラックス監督
ホーリー・モーターズの予習として鑑賞。ドニ・ラヴァンの身体的魅力が東京の銀座で繰り広げられたとはそれだけで嬉しく引き込まれる。3作の中でも今まで観たことのない東京が舞台となった物語だった。メルドは糞という意味で、ゴジラの曲からマンホールへと。マンホールから銀座へと花を貪り食べる怪人が登場。生死と資本主義、感情、言語が絡まり、後半は陰鬱さと神秘感が強まる。レオス・カラックス監督はどこで撮っても監督自身の感覚が1番強く感じられて引き込まれた。
『SHAKING TOKYO』
ポン・ジュノ監督
1番日本で撮っているという感覚が強く、俳優さんとその土地の魅力を感じられた。そこにポン・ジュノ監督の物語と映像の強さが上手く融合してかなり重厚感のある短編だと忘れるような満足感の高い作品だった。香川さんの引きこもりっぷりと部屋の完璧なまでの異常な美しさ、日本家屋の畳の感じや日本の暑い夏が伝わってきて、その切り取り方が美しい。部屋のシーンの構図が本当に綺麗で、それだけで引き込まれる。物語の展開もどうなるか気になるし、なんと言っても蒼井優ちゃんが本当に魅力的。画面にアップで写されて何分でも画が持つ、彼女の表情の強さと求心力が本作でも遺憾無く発揮されていて素晴らしかった。オンオフのタトゥー可愛い。地震が起きてからのシーンは物語の大きな動きとして思わず、のめり込むように画面を見てしまう。とても美しく綺麗にまとまっていてこちらもかなり好きだった。
3作品とも全然違うからオムニバスとしてかなり楽しめた。こんなにも違う作品になることが世界で活躍する作家性につながる気がした。こんな豪華な作品達に感謝。