あかつか

愛のお荷物のあかつかのレビュー・感想・評価

愛のお荷物(1955年製作の映画)
4.5
アマプラ無料枠に川島雄三が結構あることに気づいてワクワク。冒頭からタキシードとウエディングドレスの二人乗りのオートバイが何百台も皇居や永田町を駆け抜ける衝撃的な映像。これだけでも見る価値あり。

「愛のお荷物」ってなんだろう?と思ったら、赤ちゃんのこと。

主人公は厚生大臣・新木錠三郎(山村聰)。今は少子化が問題になっているけど、この頃は人口爆発が問題になっていたらしい。野党からも政府の責任を問われ、人口軽減のための対策を講じ始める。ところがどっこい妻や娘2人や息子の彼女が一気に妊娠し、新木家はあっという間に人口爆発。てんやわんやの大騒ぎ…からの、水爆なんか作ってないで、生まれてくる子どもたちの幸福についてちゃんと考えろよ、という風刺劇。

「(結婚前に妊娠なんて)いいこととは思いませんよ!」
「ちぇっ、ママったら逆コースだな」

妻に轟夕起子、息子に三橋達也、じいちゃんに東野英治郎。そのほかフランキー堺や山田五十鈴、菅井きんや笠智衆などなど豪華キャスト。もちろん小沢昭一も出てるよ。

川島雄三は音楽がとても不思議。『洲崎パラダイス赤信号』の時もそうだったけど、ほかの映画にはないセンスしてる。

ラストも温かい。しかもちゃんとした風刺劇。すごいなぁ。
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