KOUSAKA

迷宮物語のKOUSAKAのレビュー・感想・評価

迷宮物語(1987年製作の映画)
4.5
EJアニメシアター新宿で開催中の「角川映画祭」にて、大友克洋のトークショー付き上映(聞き手はアニメ・特撮研究家の氷川竜介)という貴重な回に鑑賞しました。

りんたろう監督の「ラビリンス・ラビリントス」、川尻善昭監督の「走る男」、そして大友克洋監督の「工事中止命令」の3作品からなるオムニバスアニメで、1987年に公開された作品ですが、今見ても全然色あせないほど革新的な熱がほとばしっていますし、のちの日本アニメ隆盛の萌芽が画面の端々に確認できます。

個人的には「ラビリンス・ラビリントス」の死後の世界を感じさせるようなダークファンタジー感が好みでしたが、「走る男」と「工事中止命令」に共通する「行き過ぎた産業社会」や「暴走し続ける資本主義」に対する警鐘を感じさせるテーマ性は、まさにバブル真っ只中でイケイケドンドンだった頃の日本社会に対する強力なアンチテーゼだったのだと思います。(今作の2年後の1989年に公開された『鉄男』にも同じテーマ性を感じました)

大友克洋監督というとあまりにビッグネームなので、勝手に気難しい感じの人なのかな~と想像してましたが、トークショーではめちゃくちゃフレンドリーで、ユーモアたっぷりに次から次へと色んなエピソードトークをして下さいました😊気さくなお人柄に触れて、一発でファンになりましたので、遅まきながら『AKIRA』以外の作品も色々見てみたいと思います‼️
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