ある家族の喪失と再生を描いたフランス映画。
映画プロデューサーだった父が多額の借金と未完成の映画を残して命を絶った…… 過度な演出がない分、リアルに感じた。 実際、監督の実体験が基になっており実在したモデルとなったプロデューサーがいる様。
3人の娘たちがとても可愛くて、妻も美しい。
特に繊細で多感な難しい時期を演じた長女役の子の演技には惹かれた。
大きな悲しみも人生の1コマ。 思い出と辛い現実との葛藤の先に、それでも強く生きて行く母子の逞しさ。 川の流れの様に毎日を生きる中でも、父と過ごした日々の記憶は深く刻まれ人生を彩る。 エンディングの♪「ケ・セラ・セラ」と美しいパリの街、感情が溢れて長女の頬を伝う涙が、後から後からジワジワと染みて来た。
映画が好きな者としては、作品が世に出るまでの裏側の苦悩、良い作品を作るために奔走するも資金繰りに悩む姿に、華やかな世界の現実が見えて辛い。
映像が美しい映画だった。