あの夏の子供たちの作品情報・感想・評価

「あの夏の子供たち」に投稿された感想・評価

つよ

つよの感想・評価

4.0
感動の家族ドラマで、良い映画。

あらすじを読むのはやめた方が。
真ん中あたりで起こる大きな展開が書いてあるから。

このレビューはネタバレを含みます

良作に出会いました。感動しました。
前半、仕事人間のグレゴワールが妻と三人の娘たちととても楽しそうにしているのが印象的だった。彼が本当に家族を大切にしていることが伝わってきた。(大人びたクレマンスは思春期の雰囲気がよく出ていたし、元気一杯のヴァランティーヌとビリーがすごくかわいい。)なのに仕事であまりに追い詰められて、彼は死を選んでしまう……
後半は悲嘆にくれる遺された家族を描く。妻はグレゴワールの思いを実現しようと会社の立て直しを図るがやはり現実は厳しかった。娘三姉妹も父の死をそれぞれ受け止めようとするが……

家族の死をこんなふうに描く作品は初めてです。家族の悲しみが痛いほど伝わって来ました(クレマンスの涙が忘れられない)が、どんなに悲しくても現実は現実。逃げるわけにいかない。直視し、受け止めるしかない。悲しいけれど生きていかなければいけない。

この遺された者たちの苦しみをあたたかくやさしく描いていることに感動しました。父の愛の深さを糧に、これからもきっと生きていくことができるよ、とエールを送っているようでした。
あまりにも辛いことだから、あえて悲しみが必要以上に深刻にならないように描かれていたと思う。(軽やかなオープニングの曲や最後の「ケセラセラ」がすごく印象に残った。)
軽やかな音楽とともにはじまり、
徐々に不穏な空気が滲み出てくる
グレゴールの不安が観るものに迫ってくる

死は唐突に訪れ、
残された女たちの未来がはじまる

クレマンスが素晴らしい
涙する横顔の美しさは胸を打つ

父のオフィスで青年とすれ違い、
映画の後、声をかけられるクレマンス
束の間の恋の描写が静かで、清潔で、秀逸

「もう行くわ、ハッピーエンドの映画にしてね」

テレビで観たけどすごく沁みた
ごじ子

ごじ子の感想・評価

3.0
パリである必然性がなさそうな普遍的な内容・設定であり、いつどこで身の回りに起こりうるかも分からぬという軽い緊張感を覚えながら観る。台詞の数は多いけれど心情をダイレクトに口にする言葉は全く用いずに突然の悲劇という構成。モデルとなる実在の人物がいたのだろう、ドラマ性やメッセージ性は希薄で悲劇を淡々と描写。
フランス映画らしい映画です。何かが起こるのですが、結局何も変わらなかった…。ザ・フランス映画でした。
ストーリーは前半の方が圧倒的に面白いと思います。ある家族の父親は映画プロデューサー。職人気質で金儲けより良い映画を制作することを優先する人物でした。仕事は多忙ながらも、時間を作って妻と娘たちとの家族の時間を大切にする良き父親で、週末には近郊の別荘で自然や歴史に触れて優雅な時間を過ごしてるのでした。しかし会社経営の実態は火の車…。返済が困難なほどに追い込まれてるのでした。ついには拳銃で自殺してしまうのでした。
後半は一家の大黒柱を失ったところからスタートします。彼の無念を晴らそうと、残された妻と娘たちは父親が生前制作中だった映画を完成させようとします。ここでハリウッド映画なら、困難をのりこえて家族が映画を完成させるのでしょうが…。本作では、どうしようもない現実の厳しさを描写してます。単に世の中の荒波に飲み込まれた母娘を見せつけられただけなのです。
父親の死後、そのような厳しい現実を見せるのも映画です。それは良いのですが、エンディングの音楽に違和感があります。ストーリー的に、いくらなんても「ケセラ セラ~」はないでしょう(笑)
話の抑揚も少ないので、のめり込みにくい作品でした。悪くはない作品なんですが…。
otom

otomの感想・評価

4.3
消えゆくものと残される者の物語。人生の厳しさへの理解の度合いが親からその姉妹と段々と表現されている辺りはなかなか巧みな感じ。でも最後はケ・セラ・セラと。良作。
映画業界の哀しい現実を描いた作品。
映画の世界の残酷な現実を見せつけられて、映画ファンとしてはとても考えさせられた。
辛かった。


映画プロデューサーのグレゴワール。
妻と3人の娘とバカンスへ行ったり、とても幸せに暮らしている。

バカンスのシーンは眩しくて可愛らしくて美しくて、グレゴワール一家に流れる空気の心地良さに顔がにやけてしまったほど。
白い温泉、川のほとり、眩しい太陽と木漏れ日、すごく美しかった。

しかし、忙しさにだんだん精神が弱っていくグレゴワール。
絶対に完成させたい作品も制作費がなくて打ち切り間近だし会社も倒産寸前。
現状を打破したくても八方塞がりで状態は悪くなるばかり。
そしてグレゴワールは自殺してしまう。

グレゴワールが自殺してから映画の雰囲気はガラッと変わってしまった。
眩しくて穏やかな前半の作風から一転、後半からはシリアスに。

グレゴワールが残した会社を守り抜くために奮闘する奥さんや長女。
これがアメリカ映画なら、奥さんがグレゴワールが完成させたかった作品を無事に公開させたりと感動作になったと思う。
でもさすがフランス映画。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、現実的なエンディングに。
うわー……めちゃめちゃリアルだわ、、って鳥肌。

ラスト、奥さんと子供達が乗る車の中で流れるケ・セラ・セラの歌が頭から離れなかった。
オープニングではキラキラとしたパリの町並みだったけど、エンドロールに映るパリの町並みはそのキラキラさが余計に辛く寂しく思えた。


良い映画と売れる映画は違う
だから映画が好きってだけだとビジネスはうまくいかない
わかってるけど辛かった
私の中では
例えば、トラブル・イン・ハリウッド、お葬式、裸足の季節
等の点が繋がって線になったような印象でした。

本作は自身初の長篇作製作時、
プロデューサーが亡くなってしまった
事件に影響された作品とのこと。
EDENでは実兄のドラマティックな青春時代をモデルに。
そして、オリヴィエ・アサイヤスとの間に娘を儲ける。
ミア・ハンセン=ラヴ
どんだけ振幅のでかい人生を送っているのか!
「未来よ、こんにちは」をみて、この監督のファンになりました。
両作ともに、涙するシーンが好きでした。
車に揺られ、外を眺めているだけで涙が溢れてしまうなど、この人はいまほんとうに辛い状況にあるのだなということが切に伝わってきます。
パリを出て行くとき、お姉ちゃんが車の中で静かにぐしゃぐしゃに泣く顔もよかった。
感情の機微が丁寧に描かれているこの監督の作品がとても好きだなとあらためておもいました。
riekon

riekonの感想・評価

3.0
お父さんと子供の仲が良かったから子供達が可哀想で…。
残された家族の辛い表情を観てると苦しくなります。
再出発だけど…鑑賞後はちょっと気分が沈むね…。
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