めしいらず

父と暮せばのめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

父と暮せば(2004年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

この意味深長な(どんでん返し的な)ラストシーンは原作にないらしい。そこから遡って考えてみると最前までの物語の印象が変化する。友人の死、父の死に感じた後ろめたさを引きずって男の愛情を受け取ろうとしない娘を呪縛から解放し背中を押してやる為に父の霊が現れたようだったのが、愛を受け取らぬまま最後にもう一つその後悔を加えて恐らくは原爆症で亡くなり浮かばれぬまま地縛霊となってしまっただろう彼女の魂を成仏させてやる為に父が現れたようにも思えてくる。ただそんなラストにしたことによって伏線を探ることに鑑賞者の意識が向き、原爆の悲惨さを伝えていた物語の印象が幾分薄まったようにも感じられるのが個人的には些か残念。とは言いつつも古い広島弁を駆使した緊迫感漂う二人芝居は甚だもって素晴らしかった。
再鑑賞。劇場公開時に中盤を寝落ちしたことも思い出した。
めしいらず

めしいらず