おーたむ

X-MEN:ファイナル ディシジョンのおーたむのレビュー・感想・評価

3.2
一作目は微妙、二作目に盛り返して、どうなるか楽しみだったXーMEN3を鑑賞。
むむ…。これは…どうだろう…。

まず、アクションやビジュアルは、前作に勝るとも劣らないとは思います。
特に、ジーン=フェニックスが絡んだ、対エグゼビア戦と最終決戦は、甚大な犠牲を払う悲劇的なムードと相まって、それなりの見ごたえはありました。
ただなあ…。
本作は一応、三部作の完結編のはずなんですが、第一作から積み上げてきたものに、あまりにも執着がなさすぎるように見えてしまうんですよね。
敵も味方も、けっこうポンポンと主要キャラクターが消えていき、クライマックスで揃う顔は、以前より貧相な感じ。
サイクロップスやミスティークなんか、ほとんど使い捨てです。
前作で活躍したナイトクロウラーが登場しなかったりもするし、続編として機能させられそうな部分をどんどん放棄して、新しいストーリーに注力する姿勢は、賛否別れそうだなと思いました。
加えて、描こうとした新しいストーリーは、詰め込みすぎてる気がします。
本作の話の軸は「キュア」と「フェニックス」で、前作からの流れを考えれば「フェニックス」は描かないといけなかったんでしょうが、抱き合わせで語るには、「キュア」は話が大きすぎます。
キュア関連の登場人物であるエンジェルやジミーの話は、もっと広げてよかったと思うし、なにより、シリーズ通して描いてきたローグの苦悩という題材の掘り下げ不足は、個人的には大不満。
そういう点でも本作は、続編や完結編としての役割を十分に果たしてないように見えてしまいました。

製作過程でひと悶着あったことは知ってますが、それを作品の内容に影響させちゃうのは、いかがなものでしょうか。
シーンごとの見ごたえはあったので、見ててつまらなくはなかったですが、期待していたぶん、なんだかがっかりしてしまいました。
おーたむ

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