tak

ビートルズ/レット・イット・ビーのtakのレビュー・感想・評価

3.5
高校2年の時。地元の映画館で「ウエストサイド物語」と「レット・イット・ビー」が二本立てで上映された。「レット・イット・ビー」を映画館で観られるのか!その事実だけで感激した。今思うと確かに貴重な上映機会。映画ファンとしての僕はこの映画館に育ててもらったように思う。これもその機会のひとつ。

ビートルズを夢中で聴いていたのは、ちょうどその頃。同じクラスに「ビートルズを聴かない奴は非国民」が持論の奴がいた。仲良しのベース弾きは、ポールと同じ左利き用ヘフナーを右利きなのに弾く強者だった。みんなでアルバム聴いて感想言いあったり、ファンクラブの通販でしか買えなかった未発表音源のカセットテープを、みんなで分担決めて購入したり。「Let It Be」セッションを収めたカセットは僕の担当で、今でも手元にある。

解散間際のギクシャクしたバンドの様子が伝わってくる映画だった。全体的に物悲しい。家族を連れてくるポール、ヨーコを連れてくるジョン。セッションの最中に二人で踊り出して演奏が止まる場面もあったかな。ジョージの演奏にポールが口出ししたり、本人がいないところでジョージのことを話す様子。その様子を残念ながら気持ちで見ていた。バンドやってたら大なり小なり衝突はあるもんだと思うけれど、この時の彼らは既に個々の音楽性がそれぞれの方向に走り始めていた。

そんなモヤモヤした感じを吹っ飛ばしてくれるのが、有名なルーフトップライブの場面。Don't Let Me Down、Get Back。これを観た頃、僕はまだバンド活動してなかったから、今観たらビリー・プレストンのプレイに感動するだろな。ともあれ、これを映画館で観られた経験は貴重。
tak

tak