ramca999

裏窓のramca999のネタバレレビュー・内容・結末

裏窓(1954年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2022初鑑賞作品はヒッチコック。

覗き×隣人の殺人でいうと、最近見かけないシャイア・ラブーフのデイスタービアを思い出さざるを得なかった。

昨今のミステリーの仕掛けや謎解きみたいな意味では大したことないが、裏窓からの覗きというシチュエーションを活かした展開で楽しませてくれる。
主点はソーワルド夫婦ではあるが、隣人たちの挙動を時にはコミカルに切り取っているので、話が膨らんでいる。
とにかく覗きという行為特性からスリリングさが観客にも伝わってきておもしい。

この作品はどんなトリックで、どんな動機で殺人を犯したのかという視点は一切なく、殺人はジェフの妄想なのか、真実なのか、という視点で観客を揺さぶってくるのが(50年代の作品に使う表現ではないが)新しいと思った。
いい感じに雑誌社カメラマンの仕事愛はあるのに、骨折で暇してるという設定がジェフはスクープが欲しいだけ…?という疑念を残してくれるのも良い。

覗きのみならず、最終的に住居侵入も犯してしまっているが、あそこからスリル感はどんどん高まっていき、ジェフのアパートの廊下からの足音、立ち止まり明るい廊下が暗くなる表現はお上手。

グレース・ケリーの美しさがこの作品に彩りをプラスしまくっていて、多少おもしくなくても観れる作品になるんじゃないだろうかってくらい華がある。

最後の両脚骨折オチとロマンスもまとまって良いシメだった。
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