荒野の狼

海峡の荒野の狼のレビュー・感想・評価

海峡(1982年製作の映画)
5.0
1982年の青函トンネルの計画から開通にいたる25年ほどの出来事を描いた映画。トンネル開通までの長い苦闘の歴史を、それに関わった人物像を織り込みながらみせており、飽きさせない142分。主な出演陣の当時の年齢は高倉健51歳(1931年生)、吉永小百合37歳(1945年生)、森繁久彌69歳(1913年生)、三浦友和30歳(1952年生)であるが、20年にも及ぶ年齢の変遷が違和感なく演じられている。
津軽の厳冬風景と高倉の辛抱強い仕事振りがメインで、これに森繁を中心とした現場の人間が関わっていく。高倉に関わる女性は吉永の他に、大谷直子、伊佐山ひろ子であるが、大谷と伊佐山は、遠隔地で働く夫を持つ女性像という立ち位置が鮮明だが、吉永の役は、本筋から離れており映画に花を添えるという意味合い。ただ、高倉と吉永が無言で酌交わすシーンは、語りも抱擁もないが、究極のラブシーンと言ってよく、二人とも素晴らしい。
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