予告編を見て一目惚れしブルーレイを購入までしてしまった作品。良い。やっぱり良いなぁ。好きです。
蒐集癖や古物趣味の気がある人間にはこの色合いはたまらないのではないだろうか。趣味の良い悪趣味。
まずなんと言っても、音と質感が持つ説得力が圧倒的。そこに視覚的なイメージと印象的なモチーフが加わり一つの世界観を作り出している。
描写力によってストーリーの鎖から脱し作品を成立させているという点は勇気がもらえた。自分もこういう何かを作りたい。
主人公のアリスは可愛らしさの中にアンニュイな雰囲気があり、ピッタリのイメージ。
アリスという題材自体にそういう面があるが、作品全体にどことなく背徳的な気配とフェティシズムを感じられる。靴下のシーンとか特にね。
食のもつ本質的なグロテスクさを描いているのもポイントが高い。食事シーンが気持ち悪い映画は名作が多い気がします。
今後も繰り返し観るような気がする作品の一つに加わった。自分の中のイメージが枯渇した時などに定期的に補給したい。