KATO

ただ君だけのKATOのネタバレレビュー・内容・結末

ただ君だけ(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

チャップリンの『街の灯』は、どことなく切ない結末で終わってしまうから、幸せになれそうな兆しがあって安心した。あの作品、もちろん好きだけれどやるせなくて苦手なのだ。

視力を失いそうな、だけど明るく前向きな女性と暗い過去を持ち暗い元ボクサーの男性。
なんだかんだいつも彼女のことを気遣っていて、そっけないしぶっきらぼうだけれど優しい人であることが示唆されている。
気持ち悪いのが、女性の上司。本当に気持ち悪すぎる。登場してから、ずっと彼女の肩やらをべたべたさわって、目が見えていないから優しくして“やってる”感アリアリで嫌悪感。押しつけがましいのに、本当にやさしいんですかね?
しかし、切ないのはその上司に女性が襲われていたときに、助ける方法を男性は暴力しか知らなかったというところだろう。
上司が最低すぎて反吐が出そうだったけど(金でお前よりもいい女が買える、とか、妻には暴力が原因で離婚を突き付けられているとか)、馬乗りになって殴りつけるとか何を考えているのか。それを止める方法が、彼女が怖がっていても暴力しか知らなかった。だから、怒られて自分の無力さに打ちひしがれてしまったんだろうな。

初デートのコンサートで、全然かわいくない電子パーマをあてられている姿が可愛い。ウキウキで服を選んで、でも張り切りすぎたら引かれちゃうかしらって着替えて、バタバタしちゃってたのが可愛くてきゅんときた。
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