段ボール箱

ファンタジアの段ボール箱のレビュー・感想・評価

ファンタジア(1940年製作の映画)
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近頃見直した不思議の国のアリスの芸術点が高すぎてびっくりしたものだけど、ファンタジアはディズニーの劇伴とアニメーションをリンクさせるメソッドみたいなものを最もわかりやすく示してくれているという意味で唯一無二の作品だと思う。
クラシックの表象音楽と絶対音楽の違いをアニメーションを用いて巧みに説明しているので、かなりわかりやすい音楽教材ぽい側面も。

ベートーヴェン「田園」に出てくるケンタウロスにディズニー的なフェチがあまりにも込められてすぎてて面白い。女のケンタウロスは1人ずつ個性がある顔立ちと造形なのに、男のケンタウロスは全員白雪姫やシンデレラの王子みたいな似たような顔なのが気になった。
ディズニーでの男性キャラクターは女性キャラクターよりも自我を獲得したのが遅かったのか。

ストラヴィンスキー「春の祭典」のシーンがかなり好き。あの曲の冒頭のファゴットの生命の芽吹き感がわかりやすい映像で表現されている。
デュカス「魔法使いの弟子」は完全にこの映画の音楽になったよな…