段ボール箱

クーリエ:最高機密の運び屋の段ボール箱のレビュー・感想・評価

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2023年12月に東京コミコンでベネディクト・カンバーバッチに会える!ということで出演作のうちまだ見ていなかったものを鑑賞。

面白しこれが実話なのは凄いな…と思いつつも、自分が一番好きなタイプのスパイ映画ではないと思った。
邦画の『スパイの妻』もそうだったけれど、職業間諜ではない人間の視点からスパイものを描くとどうしても人情系または罪に巻き込まれる人間の業…みたいな、いずれにしても国家の闇に尽くす官僚の葛藤や哀愁といった職業としてのスパイならではの描写が薄いことが多い気がする。

例えばこの映画だったらロシアの情報提供者の側の事情がもっと多く描かれているか、いっそロシアサイドの視点で書かれた脚本だったらもっと好みだったかも。
主人公(カンバーバッチ)は一般市民なので、彼の目を通して見る諜報の世界はどう考えても辛く異常なもののはずであり、観客の心理も「一般人なのにかわいそう!」となるのが当たり前になってしまう。
「一般人なのになぜ諜報活動にのめり込んだのか」の心理描写が、実話ベースということもありあっさりしすぎな気がしてしまったのかな…。

カンバーバッチはいつものことながら体を張っていてすごい。体重の増減やばすぎる。
珍しく巻き込む側ではなく巻き込まれ体質の役でした。