チョコレートと猫

パーフェクトブルーのチョコレートと猫のネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

虚構が現実に迫ってくる。
理想と現実の乖離が進む度、主人公のミマと同じく息を切らせながら、追いつき追い越してまた追いかける。
もう一度記憶を無くして観たいと思わされる逸材。

正直、目星は早々に付いてしまって、
そうじゃなければいいな、
そうであってくれるな、
間違っててくれ、
と願いながら観ていたため、
ミマが真相を知った瞬間の、蝕む毒のような絶望の味を一緒に味わった気がした。
そこからの終盤へ向かう怒濤の展開に、息も吐かせず追い立てられてしまう。

やがて決着が着き、
一息吐きながらしみじみしているところへ、
最後にミマが放つ一言。
静かな水面に、一石を投じて、波紋を起こす観客への言の葉に、思わず唸らされたラストだった。