あるぱか2世

パーフェクトブルーのあるぱか2世のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.8
いまや日本を代表する映画と言ってもよいと思う。

虚実入り混じるストーリーと演出技法は、いまなお多くの人を惹きつけ続ける。
そして単なるサスペンス、スリラーを超えて、ものすごく猥雑な雰囲気を漂わせる。

パソコンがまだ世間に知られたての、社会に少女のヌード写真がまだまだ出回っていた90年代末。そんな当時の猥雑な空気感を、今作は見事に吸い上げているように思う。
そして、そこまでしなくても…と思えるような性描写の数々。その性描写も、アニメであってアニメでないような、それこそまるで深作や伊丹映画のような色情を感じさせる。

やはりこの映画、全体的に「気持ち悪い」のである。本作をググるとサジェストに「気持ち悪い」と出てくるのも肯ける。
だけど、あの時代はみんなが何気なく生きていたように見えて、実は水面下ではこんな風に気持ち悪い世界が広がっていたのかもしれない。

よって、その「気持ち悪さ」を観る者に刻み込ませた時点で、この映画の狙いは成功しているのかもしれない。
あるぱか2世

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