pika

パーフェクトブルーのpikaのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.0
アニメ映画なのに絵が動くという概念を忘れるくらいにカットの切り替えや演出さばきが唸るほど鮮やか。いい意味で実写映画のように画面が躍動していて、且つアニメ映画だからこそ!の表現などめくるめく新鮮な体験に感動!
オープニングの説明演出はテンポも良く端的でわかりやすくリズミカルで素晴らしい!!

アイドルが女優へ転身してゆく様を初出演のドラマと絡め、ドラマのサスペンス的な展開や多重人格のキャラクターとの同調などエンタテイメントとしての面白さもありつつ、「私は誰?」「あなたは誰?」鏡に映る自分は私なの!?的な、夢か現かの妄想や幻想入り混じりーの哲学的な物語になっていく多重構造がたまらん!!

自分という人間を構成しているものは自分の意識だけではなく希望や妄想や他人からの期待や願望や思い込みなど、様々な要素から成り立つということ、本当の自分というのは果たして存在しているのかというあやふやさ、夢と現実をどこで判断し他者に投影してしまうのかの境界線など、キャラクター達のどの目線からでも思考できる多面性や自分の中に問うという奥行きなど、ストーリーという軸からあらゆる方向へと根を張り魅了してしまう面白さ!

中盤の夢か現かシークエンスは「こういうのが見たいんす!」とゾクゾク!!!ツボをガツンガツン刺激してくださりありがとうございます。今監督かなりツボかも!全部見る。最高!!!
pika

pika