奏良

ギルバート・グレイプの奏良のレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
5.0
当時ディカプリオ19なの衝撃的。アーニーの演技力が半端なく発揮されていて鳥肌立った。並の知識じゃこの演技はできないと思う。(タイタニックがこれの3年後なの?)ジョニデも凄いけどそれ以上に凄い。
この家庭環境における課題は現代で話題になる事例に勝るとも劣らない複雑さで描かれていた。ギルバートが直面する課題に向き合う姿と葛藤がかなり苦しかった。アーニーが連れてかれる直前の池のショットはありきたりな風景なのに凄く印象的だった。今までは普通だった日常が揺らぐのは苦しい。他の世界を知ってるベッキーと出会ってしまったギルバートの決断は現実的で重かった。ただ選択は間違ってないと思う。

誕生日ケーキの一連はキュッとなった。いい人になりたいギルバートにとってあの行動は自分でも許し難かったんだろうな。それに心につっかえてる全てを打ち解ける人が周りにいなかったギルバートにとって、ベッキーと出会えた事は必ずプラスに働いたよねとなって良かった。仲直りする時の馬乗りで泣きそうになった。ケーキからラストまでは全て完璧すぎて愛しくなる。あのアーニーの表情が忘れられない。家というしがらみから解放された二人の今後が気になって仕方ない終わり方が大好き。
今はギルバートに感情移入しての鑑賞になったけど母親に移入してしまう時が来たらいいなとも思う。どの視点で見ても救われない部分があるのは現実味あって締め付けられる。軽い気持ちでは観返すことができない、凄く大切にしたい映画。

BTTFのジョージとクララも個人的に嬉しい共演だった。
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