モールス

レイジング・ブルのモールスのレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
4.5
「ロッキー」「チャンプ」「ボクサー」など、ボクシング映画の名作は数多くあります。本作も名作の一つとして、映画ファンから支持されてる作品です。
実在のボクサーであるジェイク・ラモッタの自伝作品であり、1940年代から1960年代の空気をモノクロで表現するなど味があると思います。
ジェイクのボクシングによる、栄光から凋落までの半生はインパクトのあるものでした。社会的底辺にいた者が、チャンピオンになりトップに成り上がるまでの出世物語。それにより得た地位、財産、家庭で、人生を謳歌する様。その反面、成功した者にありがちな思い上がりも垣間見えました。これが凋落への引き金たもなり…。
ロバート・デ・ニーロの演出がとにかくスゴいのです。19歳の青年期から43歳の中年になるまでの役作りは、あらゆる彼の出演作が名作になった根拠を思い知らされます。顔の表情も体型も年齢相応に仕上がってました。また弟役のショーン・ペシもかなりの熱演で、デ・ニーロを相手に頑張ったと思いますよ。
本作の主人公にとってはボクシングは単なる成功への手段でした。 ただ幸せに暮らしたかっただけだったと思います。自分自身の激情家の性格が災いして、思うように生きることが出来なかった悲劇だとも感じます。
栄光と凋落のコンストラストじっくり見せてくれる力作です。マーティン・スコセッシ監督は、こういうタイプの映画を制作するのが上手いですよね☆
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