BouzuMiura

抱きしめたいのBouzuMiuraのレビュー・感想・評価

抱きしめたい(1978年製作の映画)
3.7
1978年に作られた1964年舞台の映画を2024年に見る。
ニューヨークにやって来たビートルズをひと目見ようとニュージャージーからやってきてテレビ局前で出待ちする男女の狂騒的なドタバタがかわいい。正直女子勢はティーンに見えない(それでももちろんかわいい)けど男子勢のボビー・ディ・シッコ(フィラエクのマイパレ相方)とマーク・マクルーア(スーパーマンのジミー・オルセン)がかなりかわいい。ナンシー・アレン目当てでディスクを買ったけどスピルバーグやデ・パルマほど女優の魅力は引き出せてない感。でも楽しかったからいい。

脚本がゼメキスとボブ・ゲイルでスピルバーグも制作総指揮で関わってるので当たり前のようにスピルバーグの「1941」とテイストが似ててびっくり。あちらはハリウッドに日本の潜水艦が来て大騒ぎする話。こちらはニューヨークにビートルズがやってきて大騒ぎする話。「1941」は高校の時にビデオで見て以来お気に入りなので大歓迎だ。
主役陣もそのままで、ナンシー・アレンはフェティシズム全開の演技を披露、ホテルでビートルズの留守中部屋に忍び込みジョージ・ハリスンのベースをペロペロ舐める。他にもワイングラスとかスプーンとか色々舐める。「1941」での飛行機フェチのキャラクターはこれを受けてのものだろうけどこの頃ナンシー・アレンはデ・パルマと付き合ってたから、スピルバーグもゼメキスも先輩の彼女を自分の映画に出演させてこういう芝居をさせるというのはかなり変態が過ぎるのでは?とちょっと思った。
「1941」では観覧車で腹話術人形とずっと話してるアタオカ青年がこちらでも同じような演技で大暴れする。

最後はちゃんと「エド・サリバン・ショー」のビートルズ出演シーンを再現してて(おなじみのモノクロ映像がモニターに写っててその右手に❝リアルな❞ビートルズが生演奏してる)映画的にも面白いしその後の風呂敷のたたみ方も丁寧。ゼメキスの処女作。すごく良かった。ビートルズの曲が全編でガンガンかかるので配信やテレビ放送じゃむづかしいけど(その理由でソフト化も遅かった)ディスク買ってでも見る価値あると思いました。この多幸感はスター・ウォーズオタクのドタバタを描いた「ファンボーイズ」にもちょっと似てる。傑作
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