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カティンの森のMcQのレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
3.8
「目を背けるな!これはあんたらがした事だ!」、、とワイダ監督の叫びが聞こえて来そうである。この怒りは生涯かけて静まることは無さそうだ。

〝カティンの森事件〟とは1939年にドイツとソ連に分割占領されたポーランドで〝ソ連軍〟によって約1万5千人ものポーランド人が虐殺された事件である。ソ連はこれを隠蔽。ドイツは〝ソ連の仕業〟として記録映画に残したが、ソ連は更に〝ドイツの仕業〟としてその記録映画を再編集したというのだから驚きだ。というか言葉も出ない。冒頭で「父に捧ぐ」とあるが、ワイダ監督の父はこの事件により命を奪われたのだ。

登場人物が頻繁に切り替わる事で少々混乱したが、やがて全貌が見えてくる。ラストは絶句しかない!、、何十年経とうと錆れない監督の手腕に只々ひびらされた。
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