飛べない豚

野火の飛べない豚のレビュー・感想・評価

野火(1959年製作の映画)
3.1
「田村、お前まだ生きてたのか」

敗戦濃厚なフィリピン・レイテ島。肺炎で部隊から足手まといにされ、野戦病院ではまだ歩けるからと見放された田村一等兵。食糧も行くあても無くジャングルをさまよい、飢えと絶望と孤独の極限状態で狂人と化していく。遠くに見える煙は焼畑なのか、敵の狼煙なのか、あるいは村人の炊事なのか。

大岡昇平の実体験に基づいており、モノクロ効果もあって四方八方に吹き飛ばされた日本兵の画がまるで本物の映像のようにリアルだった(T^T)

昭和天皇の時代の戦地を、息子の平成天皇が2016年に慰霊訪問したことは感慨深い。戦争をシューティングゲームのようにしか考えていない平和ボケした連中にこそ観てもらいたい。