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八日目の蝉のtackyのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.6
「八日目の蝉」は幸せなのか?孤独なのか?

根本的に、永作博美の役が全ての元凶であるのは間違いない。どう見ても弁解の余地は無い。
森口瑤子の役は、人生を狂わされた妻としては、当然の対応だと思う。
それでも、何故か捕まって、安堵のような表情の永作博美と、
娘が帰ったのに、夜叉のような表情の森口瑤子を続けて観せて、
僅か三年の間の事なのに、どちらも人生が狂った様を、冒頭のシーンだけで上手く観せる演出に関心した。

でも、忘れてならないのは、主人公の人生が、完全に狂わされた事で、その行動や思慮まで、おかしくなっているのが悲しい。
そう、子供に何の罪も無く、周りの大人の勝手な都合で振り回されていく事が、いつの時代も起こっているを表している。

それがわかっていても、逮捕の瞬間と、ラストの駆け出して止まって一言。どちらも泣いてしまった。そして、明日に繋がり、主人公の前向きな行末を願った。
素晴らしい作品である。

ただ二点だけ、原作からしても男性嫌悪が甚だしい事と、音楽が酷すぎる事は、とても不満だっだが‥。

よって結論。八日目の蝉には、他の蝉に見えないものが見えるので、幸せである。
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