久しぶりに観たが、予測できないストーリー、地域性を持たせた分かりやすく簡潔な音楽、個性的で愛らしいキャラクターなど、どこを取ってもほとんど完璧な作品。
愛と自己実現を単純な二律背反として語るのではなく、それぞれが補完しあって自分を形づくるのであるという、建設的でバランスの良い結論を導いている。
白人の軽薄そうな友達も結局思いやりに溢れた人物であり、本作が掲げる「愛」は恋愛関係のそれというより、「慈愛」に近い感情を指しているようにも受け取れる。
14年前の作品なのに、当時観た時よりも、今の社会の中で観る方が心に刺さる。
唯一、死を美化しすぎているような点は気になった。
