atsuki

最後の猿の惑星のatsukiのレビュー・感想・評価

最後の猿の惑星(1973年製作の映画)
3.2
「シーザーって凄い奴」と説く歴史の授業。子煩悩過ぎて前が見えなくなったりもするが、周りの英断をまとめる指揮能力は素晴らしい。言葉を話せる猿という人類と類人猿の架け橋であるシーザーが「最後の」へ導く様は蛇足気味だったサーガをひとまず締められる安心感と示す平和の形は彼こそ出来ること。

しかし、人類と類人猿の平和を描く割には数百人規模の痴話喧嘩で済ませてしまうあたりはちゃっちいなと(もちろん核爆発でみんな死んだのは分かるが)。=シーザーがどうしても銅像を建てられるほどの人物には思えない。また「彼らも人間と同じになった」との言葉通り、人類が主だろうが、類人猿が主だろうが、はたや共存しようが、結局本能的に争い続ける生き物として醜い限り。

そしてヘイトで殺して置いて、その是非は「未来が決める事」と片付ける。そしたら未来が平和になっちゃったんだからびっくり。未来の為の殺しが許される場合もあると言う王が築いた平和。それじゃ歴史は繰り返されると思うぞ、シーザー!
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