あかつか

わたしを深く埋めてのあかつかのレビュー・感想・評価

わたしを深く埋めて(1963年製作の映画)
2.5
BURY ME DEEP

原作はハロルド・Q・マスル
監督は井上梅次。銀座率高い。

出張帰りの弁護士田宮二郎が自宅に帰ると、謎の女がブランデー片手に泥酔ゴロゴロ。驚く田宮。きっと友人(川崎敬三)のイタズラに違いない…と警戒しながらもまんざらでない田宮。でも女が寝込んじゃったからとりあえずタクシーに放り込んでサヨナラする田宮。翌朝、警察がやってきて謎の女が死んだことを伝えられる田宮。どうやら毒をもられたらしいということで署に連れて行かれる田宮。田宮田宮のオンパレードでここまで10分!!

田宮の友人川崎敬三の奥さんにこれまた謎の女若尾文子。そこにキャピキャピ(死語)した江波杏子が加わって、さらに遺産相続や二重結婚がからんでミステリーに拍車をかける。音楽も軽快なところが、なるほど米国の古典的なミステリー、ハードボイルド小説みたい。でもちょっとテンポよすぎてうかうかしてると置いていかれる(というか置いてかれた。いつも端役の人が意外と重要な役なもんで)。

原作は知らんが、とりあえず大きなどんでん返しもなく、タイトル通りの結末。

あっという間に死ぬ謎の女に浜田ゆう子。川島雄三『しとやかな獣』の姉ちゃん。

容疑者のひとりに『網走番外地』の安部徹。顔は怖いが根っからの悪ではなさそうなヤクザ者をうまく演じるよね

捜査の途中、バーでの密談をカウンターの下で盗み聞きする田宮の顔にスポットライト当たってるのがツボ。100人が見て99人は笑うと思う。あと、田宮の部屋の脇の甘さ。浜田ゆう子が勝手に入ってきて酒を飲むところから本作は始まるが、他にも雑誌記者が入ってきて写真をとろうとするわ、チンピラが入ってきて田宮を脅迫するわ、警察が入ってきて田宮を連行するわ、江波杏子が入ってきて田宮を誘惑するわ、元依頼人が拳銃片手に入ってきて田宮に恨み節を浴びせるわ、挙げ句、留守中にヒットマンがやってきて川崎敬三を撃ち殺すわ…いい加減鍵変えろ!
あかつか

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