荒野の狼

ジャッキー・チェン/ドラゴン特攻隊の荒野の狼のレビュー・感想・評価

3.0
若い頃の時代のジャッキーの映画は、いくつか見るとどれも同じで、顔も現在のものと違うし、今ひとつの印象でしたが、この映画は異色。ジャッキーはあまり出てこず、オカルトっぽい戦争もの。中盤までは、仲間の豪傑たちとジャッキーは明るく戦っていたのが、後半は、仲間が次々に殺されるという悲惨な話。最後にジミー・ウォング対ジャッキーの戦いになります。ジミーはクンフーができないと、日本のファンからは酷評されていますが、この決闘では、ジミーは剣を使ってジャッキーを完全に圧倒。かなりの迫力です。「新座頭市 破れ!唐人剣」でもジミーは短い剣を使ってましたから、殺陣はできます。後のスターのジャッキー対晩年のジミーということでしょうが、ジミー強しの印象があります。ジミーが強いと思ったのは、このシーンくらいですが、ジャッキーのベストバウトの一つでしょう。ジャッキーは、剣を持った真田とも「ラッシュアワー3」で戦っていますが、この時も真田強し、の印象がありました。相手の強さを引き出すのも、いい格闘家の証と言えます。
ちなみに、この映画のラストのシーンは、軍隊で将軍であることを盾に「車に載せろ」という将軍たちに、仲間を殺されたジャッキーは、日本語訳では、怒って、”戦争反対なんだよ!”と吐き捨て無視をして車を走らせますが、こちらの英語版では、「俺にとっては、お前らは将軍じゃなくてピエロにみえる」といったセリフになっています。この後、いきなりThe End(終劇)となるのも、だらだら終わらないでいいところ。
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