KnightsofOdessa

処女のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

処女(2001年製作の映画)
3.5
[] 70点

2001年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。カトリーヌ・ブレイヤ長編七作目。15歳のエレナと13歳のアナイスは姉妹。愛憎混じり合う目線を投げ合う二人は、スリムでゴージャスな姉と平凡で太った妹として対置されているわけだが、『ヴァージン・スピリト』の主人公を2つに割ったような形になっているらしく、劇中で本人たちも"表裏一体に感じる"と言及している。二人は両親と共に海辺の避暑地でバカンス中だが、とてつもなく退屈で、考えることといえば処女喪失のことばかり。二人はフェルナンドという法学生に出会い、エレナは彼を家に呼び入れる。この男がシンプルなカスで、セックスに怖気付いたエレナを脅してアナルセックスに持ち込むし、"俺がお前の最初の男になって本当の愛を教えてやるぜ"とか言うし、もうなんか"うわあ"って感じ。それでも、エレナは彼に惚れ込んでいて、それを横で見ているアナイスはドン引きしている。終盤ではフェルナンドとのセックスがバレて母親と三人で帰宅するという展開を迎えるわけだが、そこで強調される爆走トラックは明らかに男たちを象徴しているのだろう。そして、冒頭でアナイスが語った夢を暴力的に叶えるラスト…

同じ年のベルリンコンペに並んだパトリス・シェロー『インティマシー 親密』(2001)を含め、レオス・カラックス『ポーラX』(1999)、デパント&トラン・ティ『ベーゼ・モア』(2000)、ギャスパー・ノエ『アレックス』(2002)と、激しいセックス描写と人間関係を描いた映画は2000年前後のトレンドらしい。
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