おーたむ

2001年宇宙の旅 新世紀特別版のおーたむのレビュー・感想・評価

4.9
再鑑賞。相変わらずの意味不明さと、圧倒的な映像美、そして戦慄。

SF映画の金字塔だけあり、半世紀も前の作品にもかかわらず、映像が凄いです。
精巧さという点では、進化した現代の作品に譲るところもありますが、未来宇宙のアイデアの鮮烈さと、それを表現する映像の説得力は、いまだに本作をSFの最高峰に位置させていると思います。
浮かび上がる世界観は無機質で、不穏さまじりの緊張感がずっと作品を覆っていて、宇宙の壮大さや、人智を超越したものへの畏怖を存分に感じられます。
えらいものを見たという衝撃が半端ないうえ、いつまでも残る感じです。凄い。

説明が意図的に排除されているため、意味のあるはずの場面が意味不明だったりもするんですが、本作の場合、この意味不明さが、作品に深遠さを与えてもいるというのは、マジックですよね。
ということで、観客の理解を放棄しているという大いなる欠落に敬意を表して星-0.1を進呈しつつ、この異形の傑作を称えようと思います。
凄いぜキューブリック。
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