“変化球山小屋ホラー”
タランティーノに認められた男、イーライ・ロス長編監督デビュー作。
山小屋にバカンスに訪れた若者の前に、見るからに正常じゃない血だらけの男が現れ‥‥という、よくある類のホラー作品だ。
山小屋×馬鹿な若者×変なやつとなれば、それこそ13金のジェイソンであったり、はたまた死者の書であったり、80年代スラッシャー映画の系譜を彷彿とさせるはず。しかし本作は、殺人鬼や悪魔やゾンビとは一線を画す、得体の知れない“何か”と向き合うことになる。
敢えてこのレビューではネタバレはしないでおくが、『キャビン』等の変化球ホラーや本作以降のイーライ・ロス監督作、昔懐かしいスラッシャー映画を好む人にはもってこいの作品だろう。後半の脈絡もない展開にはついていけなかったが、当時カルト的人気を集めたのも頷ける程のサプライズと意味不明さに溢れた佳作ホラーだった。