作品全体に敷かれた緊張感。ぴりぴりした電気が常に通っている感じ。
長年のプレッシャーと緊張で張り詰めたイー(トニー・レオン) がようやく心を許した相手は、抗日ゲリラのスパイのチアチー(ダン・ウェイ) 。対立し合う2つの心。
愛なのか敵なのか。戦いのようなセックス。チアチーがその様子を激しく告白するシーン。チアチーの歌を聞いてイーが涙を流すシーン。
引き裂かれるような激しい痛みを伴う愛が描かれている。
辛いチアチーを見る場面はたくさんあるけど、彼女にとってかつて好きだった人からのあのキスほど辛いものはないのではと思った。
BGMは控えめ。でもそれがとても効果的。
「ダイヤには興味がないんだ。それをつけた君が見たい。」というイー。逆にこれほどダイヤの価値がわかっている発言はないと思う。
ラストが涙が出るほど儚い。