今日も喉が痛い

地の群れの今日も喉が痛いのレビュー・感想・評価

地の群れ(1970年製作の映画)
4.1
朝鮮人、被差別部落民、原爆被爆者という差別されている弱者がお互い虐げ合い差別をする負のスパイラルはスーパーヘビー級すぎてやりきれなさすぎるが、こんな映画が作られていた昔の日本は羨ましくもある。

国内だけでなく国外の事も含め目を背けすぎてるんじゃないか日本人は。問題がなかったかの様に有耶無耶にするのが我々の得意技だと思うし、国に力があった時代はそれで通用していたかもしれないが、これから衰退し続けてアジア諸国に抜かれた先にはどっとツケが回ってくる可能性だってある。

北林谷栄が受ける事なかれ主義、陰惨で怖すぎる殺され方や、ラストのほくそ笑む主婦達は『火垂るの墓』で戦争が終わりお嬢様達が綺麗なおべべを着てはしゃいでいる姿と重なり、これがまたTHE日本という感じがして大変嫌になる。
そしてもっと嫌なのは、あのほくそ笑む層にも目を背ける層にもたぶんこの映画は届かない。。残念だけど、届いたとしても響かない様な気がしてしまう。。