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銀河ヒッチハイク・ガイドのatsukiのレビュー・感想・評価

銀河ヒッチハイク・ガイド(2005年製作の映画)
3.9
【答えを求め続けること】

無事に第89回アカデミー賞も終わりましたね。ラストには予期せぬハプニングなんかもあったりして、総じて楽しい受賞式でした。そんな中で今作はあの大本命と言われていた作品「LA LA LAND」にも勝るとも劣らない「イルカ」のミュージカルから始まります。

ずっとオフビートな雰囲気を醸し出しながら進む「スタートレック」の様な作品。あと言うならGotG的な楽しいノリのスペースオペラ。そんな軽いノリでありながら、題材が人生や宇宙とは何かという究極の問いであるがために起こるアンビバレントさ。それらが生み出す奇妙な感じはこの映画の美味しいところでもある。

哲学的な事をバカに仕上げるあたりの天才さ。この映画で提示される「42」という究極の問いの答え。言ってしまえばこの映画を見終わっても何かが明かされる事はない。けれども観客である我々は鑑賞後に、この「42」が何であるのかを確実に知ることが出来るだろう。

この映画を見てると、世界にはタオルと紅茶があればいいのだと思わされる。ズーイデシャネルの美しい青い眼に引き込まれそうになったり、寝巻きの主人公やらネガティヴ思考でいつも落ち込んでるロボットやら顔が2つの大統領やらヒッチハイカーのレフトイヤーやらダメダメそうで魅力的な登場人物達が可愛い。

監督のガースジェニングスは来月公開の「SING」を手がけているので、楽しみが何倍にも膨らみました。
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