エドウッドは私に映画のすべてを教えてくれる
悪い意味でだけどな!!!
死霊の盆踊りに続いて新宿のミニシアターでエドウッド祭という狂気の沙汰。しかも総天然色。これを逃したらエドウッドを劇場で見る機会なんてなかなかないと未踏のアンダーグラウンドへ。
しかしこれがなんとなかなかおもしろいのです。死霊の盆踊りの絶望の90分を経験すると、プラン9はシナリオがあるぶん2.0点はあげてもいいと錯覚するほど。
……いやいやちょっと待て、シナリオは普通あります。映画なんだから。一番いいところはエドウッド鑑賞に1500円かける人間は感覚が狂いつつあることを自覚できるところか。
開幕から会場は爆笑の渦に包まれた。調理用アルミホイルを思わせる光沢のUFO。嵐の○野君が出演したアレグラのCMを彷彿とさせる宇宙人。ドリフのコントのような大根演技に、外連味を出そうと努力した残滓だけは感じられる台詞回し。
Z級映画という単語を浸透させたのは某トマトの功績が大きいが、やはり元祖はエドウッドなのだと感心するほどの出来の悪さだ。
間違えてほしくないのはこの映画に関する罵倒は基本的に褒め言葉とイコールという点だ。一度視聴したのなら、その駄目駄目さに一種の愛嬌すら感じられる。まさに万人にオススメしたいクソ映画。映画界の必須教科といえる。
Z級映画であるのに加えてどうもこの監督はクセが強い。同監督作は本作と盆踊りくらいなのだが、すでに"これやりたかったんだろうな"というのが透けて見える。本当に愛おしい以外の感想がわかない。