改名した三島こねこ

シンドラーのリストの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
3.3
題材がホロコーストの映画といえばまずはこれ

『戦場のピアニスト』『ライフ・イズ・ビューティフル』など、ナチスやホロコーストを題材にした傑作映画は枚挙に暇がない。しかしながら映画好きになったならこの映画だけは誰であれ通る道であろう。

この映画のなによりの特徴は全編の9割近くがモノクロ映画となっている点。白黒映像独特の雰囲気による作品の味はとても素晴らしい。また所々でカラーを使用しているシーンに関しても、スピルバーグの解説が言葉足らずなだけに考察の余地がある。

また間違いなくナチス批判の映画ではあるのだが、ナチス上級幹部や総統が登場しないのも特徴。
作中軍靴を響かせるナチス末端のドイツ国民こそが嬉々として蛮行を働いており、ナチ党だけに責任追及せず国民全員の姿勢に眼差しを向ける必要性を感じさせられる。

シンドラー氏は完全な善人ではないが、だからこそ誰しもが善人になる可能性を秘めているというのもまた感じたことではある。