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直撃地獄拳 大逆転のtakのレビュー・感想・評価

直撃地獄拳 大逆転(1974年製作の映画)
3.3
#「キル・ビル」のルーツを探せ
(その32)

オーレン・イシイのネーミングは、タランティーノが尊敬する日本人映画監督に、石井克人・石井隆など”イシイさん”が多いからである。中でも最も尊敬する”イシイさん”が「網走番外地」で知られる石井輝男監督なんだとか。

その石井監督が千葉真一のアクション映画を監督したのが「直撃!地獄拳」シリーズ。本作はその第2作で、一見空手アクション映画なのだが、その実はやりたい放題のコメディ快作!。

もうバカ映画と言ってもいいかも。でもそれ故になーんか憎めない愛すべき映画だ(正直言って好き!)。千葉真一は甲賀忍者の末裔で、警視総監から内密に盗まれた宝石奪還の依頼を受ける。強力な接着剤で棒を壁や天井に貼り付け、それをつたって忍び込む妙技。アドバルーンにぶら下がった空中アクション、もちろん空手アクションも満載の面白さ。ところが全編小学生男子のような悪ふざけの連続で、相手の飲み物にハナクソやらフケやら入れるわ、食い物ぶっかけるわ、屁を見舞うわ、小便かけるわ、チャイナドレスを下からのぞき込むわ・・・もう観ていて気恥ずかしくなってくる。

接着剤でテーブルに手がくっついた郷えい治は、テーブルを手形に切り抜いてしばらくそれで登場するのはご愛敬。セスナ機がトンネル内を飛ぶ場面は「ミッション・インポシブル」を思い出したりなんかして!(もしかしてこれも影響なのか?)。クライマックスの大乱闘では、用心棒役安岡力也の目玉は飛び出すし、マフィアをバックに持つ悪役名和宏は、千葉真一の蹴りで首が一回転!、腸を引きずり出される!。残酷描写というより、もはやギャグ!。「キル・ビル」でも、青葉屋での格闘シーンに目玉が飛び出すアクションがそのまんま引用されている。またゴーゴーの頭上、ユマが天井に張りつくところも影響か?。ついでに服部半蔵の側近シロー役の大葉健二は、「直撃地獄拳・大逆転」に、ギャングの一人として出演しているらしい。探しだせますか?。
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