菩薩

ファントムの菩薩のレビュー・感想・評価

ファントム(1922年製作の映画)
4.0
一人の誠実だった青年がズルズルと強欲の罠に嵌り愚者へと堕ちていく様。自らの詩作の才能を認められたとの早とちり、悪徳プロデューサーに捕まり、叶う筈も無い高嶺の花への恋に狂い彼女と瓜二つの詐欺師に貢ぎ、周囲の人間を次々に裏切っていく。最初馬車に轢かれる時がまぁまぁ本気で吹っ飛んでおり「死んだ?」と思ったが、ローレンツにとってはそれくらい衝撃的な出会いだったらしい。妹も妹で物質主義に目が眩み家を飛び出す。何もかもが上手く行かず母は非業の死を遂げる、遂には犯罪に手を染めるローレンツ、そうしてようやく自らを顧みた先には救いが待っているのだが…そんな上手くいくんかいな!と思わずにはいられない。普遍的な話で面白い、成程ドイツ表現主義。
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