おーたむ

ハリー・ポッターと賢者の石のおーたむのレビュー・感想・評価

4.5
鑑賞した回数だけで言えば、この作品は、マイベスト10の中に入りそう。
公開からもう20年近く経つことを考えると、月日が流れる早さを思わされます。
今さらレビューを書くのもなんだかなというくらいのヒット作ですが、一応見たということをマークするつもりで。

「ファンタスティック・ビースト」も含めて、本作及び本シリーズは、その世界観こそが主役であり、最大の魅力というべき作品だと思います。
私が最初に心惹かれたのは、ハリーがダイアゴン横丁を訪れる場面でしたが、細部まで作り込まれたあの街並みは、見ている私たちを魔法の世界に誘い、魅了する、秀逸な導入部でした。
その後も、9 3/4番線、魔法学校での寮生活、様々な魔法の授業、クィディッチなどなど、見ているだけでわくわくしてくるようなシーンが目白押し。
見ている私たちもハリーとともに魔法の世界に驚き、心を踊らせることができる本作は、つくづく、よくできたアトラクションムービーだと思います。
いつ見ても面白いです。

そして、世界観が主役とは言いつつも、本作の主要3キャラクター及び彼らを演じた俳優は、やはり魅力的でした。
キャラクターとして言うと、まだ無垢で屈託がない年齢だからか、関係性が湿っぽくなく爽やかなのが良かったですね。
多難な学生生活で、徐々に絆を深めていく彼らの姿は、微笑ましかったです。
そんな彼らを演じた、ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンが、まあ可愛いのなんの。
この頃の子どもに特有のキラキラがきちんと写し出されていたというところも、本作の美点の一つだったと思います。
ドラえもんの映画とかも、今見るとそういうキラキラが見えるんですかね。
見る予定ないけど。

ということで、映画史屈指の人気シリーズとなった作品の一作目とあって、いつ見ても、今見ても面白い作品でした。
露骨な悪役の描写や、ハリーたちの圧倒的主人公補正を見るに、やはりメインターゲットは低年齢層なんだなと苦笑してしまったりもしましたが、それでも、魔法の世界を見事に表現し、ファンタジーの愉しさを存分に味わわせてくれる本作は、傑作だなと思います。
今後も、「ファンタスティック・ビースト」シリーズ以外に、こういったファンタジーの傑作が、映画館を賑わせてくれると嬉しいですね。
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