エリオット

暁の7人のエリオットのレビュー・感想・評価

暁の7人(1975年製作の映画)
4.4
ナチスの親衛隊大将でチェコを支配していたラインハルト・ハイドリヒ暗殺事件をもとにルイス・ギルバート監督がプラハで撮影した1975年の作品。
同じ事件を扱った映画にはフリッツ・ラングの傑作「死刑執行人もまた死す」があるがそちらはチェコの人々が主役の作品で、数年前の「ハイドリヒを撃て」はまさに本作のリメイク、ただしそちらは未見。

ルイス・ギルバートと言えば007シリーズ、それも大味な時期の作品の印象だが、本作はちょうど「フレンズ」という青春恋愛映画のシリーズと「007/私を愛したスパイ」「同/ムーンレイカー」の間に製作された作品で、エンターテイメントとシリアスなドラマとのバランスが取れていて、同監督の作品として一番出来が良いのではないかと思う。

70年代特有の暗いトーンの画調で物語が淡々と進むところが自分たちの任務をただ忠実に実行しようとする若者の悲壮感漂う姿にちょうど似合っている。
ラストの銃撃戦はさすがにかなりの迫力だが、当時人気だったティモシー・ボトムスが主演で、束の間の恋模様などがかえって切なく、戦争映画というよりは青春映画といった印象が強い。
エリオット

エリオット