エリオット

オッペンハイマーのエリオットのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.4
Dolbyシネマで鑑賞
NHK映像の世紀バタフライ・エフェクト「マンハッタン計画」の回は見ていたのと「モノクロがいついつの話でカラーがいついつの話」くらいの前知識があったのでストーリーはスッと入ってきた。
というか、監督の意図からしたら混乱することなく見終えてしまったと言った方がいいかも…

歴史上の人物の伝記映画としては時制の入れ替えの点を除けば往年のハリウッド映画で見たことのある描き方だが、
前半の、科学者またユダヤ人として原爆開発競争に勝利するまでの物語
後半の、審問会と公聴会をオーバーラップさせながらの法廷劇
そこに、自ら地球そのものを破壊しうる悪魔の兵器を作ってしまったオッペンハイマーという人物の狂気、陶酔、そしてやがて襲い掛かる後悔を絡ませながら、それらをとんでもない迫力で描いていく3時間は、圧倒的でとても面白かったとしか言いようがない(画面構成や音響、特に音楽は盛り上げすぎくらい)。

クリストファー・ノーラン監督はエンタメの人だからこそこのような作品を撮り得たのだから、見終えたあと「atomic bomb Hiroshima Nagasaki」などとgoogle検索するかどうかは観客に委ねられているということでよいのではなかろうか…
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