いののん

夜と霧のいののんのレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
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ヴィクトール・E・フランクルの著書『夜と霧』は、新訳版で読んだことがある。感動とか、そういった言葉では到底言い表すことができない、人間の根源とか生きることそのものとか、うまく言えないけど、魂の奥底にふれるような体験だった。


同じ題を持つこのドキュメンタリー映画は、アウシュヴィッツのユダヤ人強制収容所に関する記録映画だ。1955年制作ということだから、比較的早い時期に作られた、ということになるのだろう。目を覆いたくなるような映像もある。でも、これは事実なのだ。目を覆うわけにはいかない。私たち人間が、行ったことなのだ。監督がナレーションも担当している(多分)。これは、ある国も、ある場所の、特別な行為ではない、私たち人間は、そういったことをやりかねない生き物で、だからこそ、真摯に見つめなければならないという強い決意が、映像とともに、監督の口調からも伝わってくる。32分。
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