フランス・パリに訪れた医師のリチャード・ウォーカー(ハリソン・フォード)とその妻サンドラであったが、空港でサンドラが他人の旅行ケースを誤って持ってきてしまう。ホテルで空港に連絡を入れた後、リチャードが入浴中、サンドラがいなくなってしまう。リチャードはフランス語が話せない中、サンドラの行方を追う。
ストーリーは分かりやすく、間違って持ってきてしまった旅行ケースを巡って無関係だったウォーカー夫妻が密輸トラブルに巻き込まれる話である。
サンドラが行方不明になってから、リチャードが数少ない手がかりを手繰って問題の旅行ケースの本来の持ち主を探し出すのだが、もの凄く地味に頑張っており、テンポが少し遅く感じた。また、フランス語が話せない設定があるため、余分に手間がかかっていて前に進まないのでイライラした。
旅行ケースの持ち主のミシェルも何を運ばされていたか知っておらず、また、地味に話がゆっくり進む。緊迫感があまり無いため、イマイチ盛り上がらない。辛うじてアパートの屋根から滑り落ちそうになるリチャードぐらいしか見どころが無かった。
終盤、旅行ケースで密輸された物が分かってから、ストーリーに緊迫感が生まれ、サンドラの救出という本来の目的が戻ってきた。
アメリカ人が他国で誘拐された場合の、他国の警察やアメリカ大使館の役に立たない感じが非常にリアルで面白かった。
本作のリチャード・ウォーカーはただの一般人でパニックになったり、鈍くさい部分もあるので、その点、感情移入しやすかった。しかし、作品全体としては、どうにも進展が遅く、盛り上がりに欠ける感じが否めず、可もなく不可もないレベルだと思います。