なんだコレは?な作品だけど、映像の美しさや奇抜でエグい実験内容に惹き付けられます。シンメトリーと動植物の腐敗に拘った映像は美しく、腐敗して行くシーンは悪趣味だが癖になり、次第にアートにも思えてくる。不思議な作品。意味解んないけど、こう言う作品は、大好き。マイケル·ナイマンの音楽もめっちゃ合ってて、良かった。
動物園勤務の動物学者である双子の兄弟、オリバーとオズワルド。ある日、車の事故で、妻を同時に失った2人は、その悲しみから逃れる為、動物の死体が腐敗する過程をコマ撮りで撮影する作業に没頭して行く。
ネタバレ↓
運転していたアルバはお腹の子と片脚を失った。妻の死により、双子は生命体が腐敗していく事に興味を覚え、様々な動物の腐敗過程を映像で記録し始めます。また両性具有のカタツムリに夢中になる。
2人はアルバと会ううちに、彼女に興味を持ち始めます。アルバの担当医師は彼女に義足を試させるが、アルバは対でないモノは美しくないと、もう一方の脚も切断します。
2人は結合性双生児だった事をアルバに話す。その後、アルバは2人と肉体関係を持っていた為、妊娠が発覚し、双子を産む(父親は明らかにされない)。
双子兄弟による腐敗過程撮影はappleから始まり、海老、魚、ワニ、白鳥、犬などと続き、zebraまで行われます。
そして、双子はとうとう人間の腐敗を撮影したいと思うようになります。
もう生きる事を辞めると言うアルバに被写体となる事を頼むが、アルバの夫となった男(足の無い男)に拒否され、自分達を被写体にする事にした。
カタツムリの森で、撮影機材をセットし、薬物を注射して自殺し横になるが、増殖したカタツムリに機材が占領されて故障。自分達の腐敗過程は記録できないまま、2人の死体にを大量のカタツムリ覆い尽くした。
悪趣味がてんこ盛り。可愛いエンゼルフィッシュを買って来たその後、干からびたそれを吊るしたり、アルバの足を想像させ、豚足や鳥の足等の映像を映す。他も沢山のカタツムリが身体を這ったり、チン◯ン丸出し、女性もノーパン。腐敗映像はリンゴから始まり、ワニ、ダルメシアン、ゼブラの腐敗する過程を早送りで見せる。死体が変色し大量のウジが湧き、朽ちて行くのは衝撃度強め。意外にキショイのがアップのカタツムリ。肌質とか嫌だったし、ラストの双子がカタツムリに覆われて行くシーンは鳥肌でした。ストーリーは、シンメトリー·腐敗·フェルメール等がテーマなのは解ったけど、意図は良く解らなかった。でも刺激的な映像&美しいシンメトリー映像の融合は楽しく、目が離せませんでした。ピーター·グリーナウェイのセンスは好き。もっと作品を観たい。