大統狙撃撃事件を8人の登場人物の視点から、何回も繰り返して描くのは面白いアイディアでした。
羅生門スタイルなんて言われてるみたいですが、個人的にはサウンドノベルゲームの『街』や『428』を思い出しましたね。
しかし、映画自体の出来は正直、微妙といったところ。
視点を変える事で、事件の謎が少しずつ明らかになるのは良いのですが、開示される新情報があまりにも少なく、意外性にも乏しいので、興味が持続しないんですよね。
むしろ、何回も同じシーンを見せられる事で、飽きてしまうというか。
逆に、中盤のどんでん返しは大味過ぎる嫌いがあるし、映画全体の演出も古いというか、ダサい。
監督のピート・トラヴィスのキャリアを見ても、最近は映画を撮ってない様なので、あまり才能のある人ではなかったのかもしれません。
どうせなら、登場人物にもっと多様性が欲しかったなと。
例えば、子供の視点だったり、犬や猫といった動物の視点だったりと、視点と同時に世界観を変えてしまうぐらいでも、良かったと思います。