一人旅

レイヤー・ケーキの一人旅のレビュー・感想・評価

レイヤー・ケーキ(2004年製作の映画)
4.0
マシュー・ヴォーン監督作。

引退前の最後の仕事によって窮地に陥ってゆく麻薬ディーラーの末路を描いたクライムサスペンス。

『キック・アス』、『キングスマン』の俊英:マシュー・ヴォーンがJ・J・コノリーの同名小説を映像化したもので、本作はマシュー・ヴォーンの初監督作品になっています。

ボスから「失踪している友人の娘を捜索する」&「大量のドラッグ(エクスタシー)を捌く」という二つの仕事を命令された引退直前の麻薬ディーラーが、粛々と仕事を進めてゆく中でセルビア人武装組織に命を狙われ、さらには身内からの裏切りにも遭い窮地に陥ってゆく様子をシビアに描写しています。

欲望、裏切り、過ち、暴力、死…ドラッグ・ビジネスの非情な現実に身震いさせられる英国風味のサスペンスで、複雑に入り組んだストーリー展開と時々描写される凄惨な暴力&殺害シーンが見所になっています。“一度足を踏み入れたら二度と抜け出せない”―裏社会の暗黙の掟の恐ろしさも提示していますし、神出鬼没な殺し屋の不気味な存在感は『ジャッカルの日』を彷彿とさせます。

主演は6代目ジェームズ・ボンドに就任する前のダニエル・クレイグ。事態解決に奔走するも段々追い詰められてゆく主人公を演じています。
一人旅

一人旅