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アニー・ホールのyksijokiのレビュー・感想・評価

アニー・ホール(1977年製作の映画)
3.4
花束みたいな恋をしたはウディアレン技法のオマージュだったのね。。
ラストの流れが完全に同じでそういう事ね…と思った。

恋人同士であってもあくまでも他人同士であり男女の難しさをシニカルかつある意味両方で斜に構えた方向から描いている点は非常に面白かった。ただ、なんかちょっと登場人物2人共好きになれないというか特に男側があまりにもひねくれていてうーんという感じを覚えてしまってそこが最後までハマりきれなかった。

技法としてのウディアレン感というかこの映画から他の恋愛映画に与えた技法はきっとたくさんあってその点で革新的な作品なのだなというのは思った。2人が会話をしている背後に字幕だけで感情を書くところや、劇中に突然登場人物が観客側に向きを変えてこちらに話しかけてくるようなシーン。あとは当人の感情や頭の中を表現する際に実際に町中の人に話しかけて知らない人と会話しながらそこを表現する空想上のやりとりなどなるほどねというシーンが多かった。

ちょっと小難しい会話が多すぎるのは頭が痛くなりつつもカウンセラーにそれぞれが相談するシーンを同時にワンカットで二分割でみせるシーンとかよかったし最後のサメと関係性をなぞらえて表現するシーンも結構よかった。関係というのはまるでサメだ、常に前進していないと死んでしまう。

僕の強迫観念は「死」なんだ。と言いつつなんだかんだアニーに依存していて関係性が悪くなったところで「結婚しよう」とか言い出すとことか本当に理解できないというか子供っぽくて笑ってしまった。これが非理性的であるということなのかなぁ。

最後自分がうまくいかない事を演劇上ではうまく行くように脚本を書き換えて演じさせてるところとか理想主義の極みという感じで寒すぎるけどウディアレンっぽくて嫌いではないかなというかんじでした。
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