すずき

ハムレット・ゴーズ・ビジネスのすずきのレビュー・感想・評価

3.3
現代のフィンランド、大企業の社長が急死する。
その後、彼の兄弟のクラウスは未亡人となった元社長の妻と結婚、そして会社も乗っ取ってしまう。
だが、51%の株を相続した元社長の息子ハムレットが、クラウスの方針に反発する。
クラウスは腹心の副社長ポロニウスの娘オフェーリアをハムレットに差し向け、色仕掛けで骨抜きにしようとする。
そんなある日、父の亡霊がハムレットの前に現れ、実はクラウスによって毒殺された事を告げる…

アキ・カウリマスキが、シェイクスピアの「ハムレット」を現代フィンランドに舞台を移して映画化。

原作をほとんど知らずに鑑賞。
知っている事と言えば、
1.叔父に仇打ちする系の話の元祖である(「ライオンキング」「バーフバリ」「ノースマン 導かれし復讐者」など)
2.オフェーリアが流される(ミレーの絵画)
3. ローゼンクランツとギルデンスターンは死ぬ(2次創作スピンオフ演劇)
の3つしか知識が無かったが、そこそこ楽しむ事が出来た。
序盤こそ少し退屈に思えたが、中盤以降で人死にが出てから盛り上がってくる。
そしてクライマックスのキャラクター死亡ラッシュは、流石皆殺しのシェイクスピアさんやで!

原作が古典とはいえ、音楽の使い方など監督の作風は相変わらず。
役者陣も他のカウリマスキ作品でもよく見る、いつものメンツなのも安心感。
アキ・カウリマスキ作品のキャラクターとその演技って、動物っぽくて好きなんだ。
動物の、表情に乏しく何考えてるか分からなくって、懐いてると思いきや興味を無くすと直ぐにそっぽを向く、やけにドライな性格が可愛い。
遊びに誘っても、喜んではいるんだろうけど楽しいんだか楽しくないんだか……。
監督作品のキャラクターと言うより、フィンランド人がそんな感じなのかな?寒いと喋るのも億劫になるだろうし。