たつなみ

手紙のたつなみのレビュー・感想・評価

手紙(2006年製作の映画)
3.5
不幸の連鎖はまるで昼ドラの様な展開でちょっと古臭い感じもしたが、山田孝之と沢尻エリカの演技力が素晴らしく輝いていて最後まで引き込まれた。
特にエリカかわい過ぎるぞ!おい!

物語の重要なアイテムである『手紙』の使い方もなかなか上手い。
想いを伝える手段という側面だけでなく、一方的に送られてくる理不尽なものだったり、相手と繋がっていられる事を実感できる『絆』を表すものだったりする。
メールではなく、”手紙”である所が大きなポイント。

身内に人殺しがいるという、絶対に抗えない事実。
ナオはそれを無かったことにしようと足掻き続けるが、現実は彼に『それでいいの?』と常に問い続けてくる。

同じ立場だったらこんな理不尽な事実を到底受け入れられないし、立ち向かう勇気を振り絞るのはどんなに覚悟がいるだろう。

でも必ず救いを与えてくれる人はいる。
一緒に傷つき、支え合ってくれる人に出会えるはずだと信じたくなる。

東野圭吾原作と言えば鬱展開を覚悟していたが、本作は困難に向かって前向きに生きる人間への賛美に溢れていた。